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欧米鉄道脱線事故
―鉄道用車輪の金属疲労の諸事例―

欧米鉄道脱線事故・書影
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平川賢爾・久保田祐信 著
A5判・上製・カバー装・168ページ 2010年10月刊
定価:3000円+税  ISBN978-4-86330-045-3

世界各国の脱線事故例と
車輪・レールの運用を比較研究!

世界中で相次ぐ鉄道脱線事故は、なぜ起こったのか? 「技術者の責任」とは何か?
本書は、欧州・北米を主とした世界各国の車輪とレールの現状を比較しつつ、車輪損傷による脱線事故の諸事例を検証し、それらの原因となった金属疲労破壊のメカニズムをわかりやすく解説する。
台湾および中国高速鉄道への新幹線技術輸出をはじめ、世界に進出してゆく日本の鉄道技術者に、また金属材料学・破壊力学に関わる研究者・技術者に必携の書!

姉妹書『ドイツ高速鉄道脱線事故の真相』 『英国高速鉄道ハットフィールド脱線事故の真相』 『ドイツ高速鉄道ICE-3ケルン脱線事故』絶賛発売中!

著者略歴

平川 賢爾(Kenji Hirakawa)
京都大学工学部出身
専門分野:材料力学、材料強度学、機械材料学、材料損傷学
著 書:機械材料学(朝倉書店)、ドイツ高速鉄道脱線事故の真相(慧文社)、英国高速鉄道ハットフィールド脱線事故の真相(慧文社)ドイツ高速鉄道ICE-3ケルン脱線事故(慧文社)
所属学会:日本機械学会、日本材料学会、日本鉄道技術協会
■学歴・職歴
1963年:京都大学大学院工学研究科航空工学専攻修士課程修了
1963年:住友金属工業株式会社入社
1976年:工学博士(京都大学)
1984年:中央技術研究所研究企画部長
1990年:研究開発本部副本部長
1992年:上席研究主幹
1994年:住友金属工業株式会社退社
1994年:九州大学工学部教授
1999年:九州職業能力開発大学校 学校長
2003年:ドイツ鉄道事故専門鑑定人
2006年:九州職業能力開発大学校 名誉校長(現在に至る)
■受 賞
1969年:日本機械学会論文賞
1982年:米国機械学会論文賞
1986年:科学技術庁長官賞注目発明
1991年:科学技術庁長官賞研究功績者
1998年:日本機械学会賞技術功績者
1999年:日本機械学会賞材料力学部門研究功績者


久保田祐信 (Masanobu Kubota)
電気通信大学電気通信学部出身
専門分野:材料力学、金属疲労
■学歴・職歴
1996年:電気通信大学機械制御工学専攻博士後期課程中退
1996年:九州大学助手
2001年〜2006年:九州職業能力開発大学校 数学非常勤講師(九州大学助手と併任)
2008年:独)産業技術総合研究所 協力研究員(九州大学助教と併任)
2010年:九州大学大学院機械工学部門 特認教授
現在に至る
■受 賞
2004年:The 4th International Symposium on the 21st Cent. COE Program of Nagaoka University of Technology, Young researcher award
2005年:日本材料学会 学術奨励賞
2006年:日本機械学会 論文賞
2007年:日本材料学会 論文賞

目次

序章 世界各国の車輪とレールの現状
 はじめに
 1. 車輪とレールの相互作用
 2. 走行速度と軸重
 3. レール形状と材質
  3.1 軸重とレール形状
  3.2 走行速度とレール形状
  3.3 軸重とレール材料
 4. 車輪直径と材料
  4.1 車輪直径
  4.2 車輪材料
 5. 車輪とレールの相互作用
  5.1 相互作用
  5.2 車輪とレールの硬度差
 まとめ

第1章 米国鉄道の脱線事故の現状
はじめに−米国貨車鉄道の現状
1-1 車輪損傷と脱線事故
1-2 車輪リムの破壊
1-3 車輪板部の損傷
1-4 脱線事故原因となった車輪損傷の分類
1-5 脱線事故原因となった車軸の損傷
1-6 カナダ幹線鉄道脱線事故
まとめ

第2章 車輪の材質と機械的性質
 はじめに
 2-1 北米と欧州の車輪材料の比較
 2-2 車輪の材質
   (1) 化学成分
   (2) 熱処理
   (3) 機械的性質
 2-3 車輪の寿命
   (a)摩 耗
   (b)踏面損傷
   (c)転動接触疲労
 まとめ

第3章 車輪損傷事故例
 はじめに
 3-1 100トン貨車の脱線事故(Shattered Rim)
 3-2 車輪板部の破壊による貨車脱線事故
  3-2-1 事故概要
  3-2-2 車輪の破壊状況
 3-3 車輪のShattered Rimによる脱線
  3-3-1 事例1
  3-3-2 事例2
 まとめ
 

第4章 車輪の形状と損傷用語(terminology)
 はじめに
 4-1 車輪各部の形状と名称
  4-1-1 車輪の名称
  4-1-2 車輪の形状
 4-2 車輪損傷の分類
 4-3 米国の車輪損傷の発生頻度
 4-4 欧州における車輪損傷
  4-4-1 車輪損傷事例
  4-4-2 英国における車輪損傷の許容基準
 まとめ

第5章 車輪の転動接触疲労の機構(Rolling contact fatigue)
 はじめに
 5-1 転動疲労亀裂の発生機構
  5-1-1 疲労亀裂の発生
  5-1-2 シェークダウン線図(shakedown diagram)
  5-1-3 疲労亀裂発生限度線図
  5-1-4 Dang Vanの疲労亀裂発生基準
 5-2 疲労亀裂の進展
  5-2-1 疲労亀裂の進展方向
  5-2-2 亀裂の分岐
  5-2-3 亀裂内の液圧の影響
 まとめ

第6章 Deep seated shellの発生機構
 はじめに
 6-1 Deep seated shell (deep shelling)
 6-2 Deep seated shellの発生機構
  6-2-1 車輪踏面下の接触応力
  6-2-2 破壊力学の適用
  6-2-3 亀裂発生深さ
 まとめ

第7章 車輪の熱疲労による損傷
 はじめに
 7-1 熱疲労亀裂
 7-2 踏面の残留応力
  7-2-1 新製時の残留応力
  7-2-2 踏面停止ブレーキによるリムの残留応力
  7-2-3 抑速ブレーキによる踏面残留応力の変化
 まとめ

第8章 技術者責任
 はじめに
 8-1 米国における製造物責任法
 8-2 米国におけるPL訴訟の特徴
 8-3 抗 弁 (Defense)
 8-4 事 例
  8-4-1 訴 因
  8-4-2 法律上の観点
  8-4-3 被告側の対応
 8-5 結果
 おわりに

あとがき

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