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図書館の対外活動 (日本近代図書館学叢書第2巻)

図書館の対外活動・書影
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著者:竹林熊彦
ISBN978-4-86330-175-7 C0300
定価:本体6000円+税 272頁
A5判・上製クロス装・函入 2017年4月5日刊

これこそが「図書館奉仕」の理念と実践!

図書館はただ文書を保存するだけでなく、広く「奉仕」する存在になるべきである。1950年に成立した図書館法にも記された、この「図書館奉仕」の理念をどうすれば具現化できるのか?戦前・戦後の転換期に日本の図書館を支え、改革を行った竹林熊彦が、図書館の対外活動を理論から実務まで詳述。広報活動から移動図書館、講演会や展示会はもちろん、図書館だよりや館内の飾りつけ、マスコミとの連携や図書館員の身だしなみに至るまで解説する。書物を生かすため(ランガナタン第一法則)、すべての人のため(第二法則)、すべての書物に読者を見つけてあげるため(第三法則)、読者の負担を軽減させるため(第四法則)、そして図書館を生き生きと成長させるため(第五法則)に図書館員は何ができるか。何をすべきか。現代においても色褪せない不朽の名著の改訂新版!

日本近代図書館学叢書以後続刊予定!

著者略歴

竹林熊彦(たけばやし・くまひこ、1888−1960)

図書館司書、西洋史学者、図書館学者。千葉県に生まれ、私立明治義会中学校、同志社専門学校文学科、京都帝国大学文学部史学科西洋史科最近世史選科で学ぶ。ハワイに渡航し、日系紙『日布時事』記者、『布畦家庭雑誌』編集主幹、『大阪毎日新聞』特設通信員を務める。帰国後、京都帝国大学嘱託となり、内田銀蔵(国史学)や新村出(言語学)に師事した。同志社大学予科教授などをつとめた後、1925年九州帝国大学司書官となり、長年にわたり歴代館長を支えた。また、青年図書館員連盟に参加し、帝国学士院より研究助成を受けて図書館学を研究。図書館関係の論文を多数執筆。1939年京都帝国大学司書官に転じ、1942年関西学院大学図書館司書となる。 戦後は日本図書館研究会の創立に関わり、文部省図書館専門職養成講習講師として、天理大学や京都女子大学などで図書館学を講じた。点字図書館運動にも加わり、日本図書館協会顧問も務めた。「読書療法」という訳語を最初に作り、広めたのも彼とされる。主著に『近世日本文庫史』、『図書の選択:理論と実際』など。彼の自筆稿や蔵書など研究資料は現在、同志社大学図書館に竹林文庫として所蔵されている。

目次

はしがき
序章 図書館学の五法則
緒論 対外活動に先だつもの
 第一法則 書物は利用するためのものである
 第二法則 書物はすべての人のためのものである
  図書館立法と図書の選択
 第三法則 すべての図書を、その読者に
  読書の習慣をつくる必要
  主題の分析と図書の展示
 第四法則 読者の時間を節約せよ
  主観的時間の問題
  図書館分類について
  図書館目録と第四法則
  図書館目録の標準化と簡素化
 第五法則 図書館は成長する有機体である
  図書館建築と図書館職員
  成人期の図書館
1 図書館の対外活動とは何か
 T 対外活動の意義
 U 対外活動は新しいものではない
 V 弘報活動――そのプロローグ
 W 対外活動のプログラム
 X 対外活動の特性
 Y 対外活動の品位と新味
 Z 対外活動の種類
  A 求心的対外活動
  B 遠心的対外活動
  C 弘報手段による対外活動
2 対外活動の歴史的回想
 T 近代図書館の背景
 U アメリカの図書館運動
 V アメリカ図書館の対外活動
  A 開架制
  B 学校への奉仕
  C 州の図書館委員会・巡回文庫
  D 奉仕拠点としての分館
  E 郡区における図書館奉仕
 W 地域社会における対外活動
  A 外国移民に対する図書館奉仕
  B 黒人に対する図書館奉仕
  C 地域社会における職業奉仕
  D 身体的・精神的・社会的不適応者
  E 友好団体との協力と施設
 X 日本の図書館とその対外活動
  A 初期の図書館文献と対外活動
  B 図書館法規と対外活動
  C 分館施設の展開
  D 移動図書館の発達
3 対外活動の内部的準備
 T 図書館奉仕の改善から
 U 好ましい環境の整備
 V 蔵書構成はいつも新しく
 W 対外活動はティーム・ワークで
 X 対外活動の組織
 Y 職員の訓練はできているか
  A 奉仕の心がまえ
  B 身だしなみと応対
  C 読者の要求に注意する
 Z 「図書館ごよみ」をつくろう
4 対外活動と地域社会
 T 地域社会の機構
 U 図書館調査の目的・種類・方法
 V どんな調査が行われたか
  ニューヨーク公共図書館参考部
  ニューヨーク公共図書館貸出部
 W 調査の結果はどうあるか
  A 数字は何を語る
  B アメリカ人は読書国民か
  C 図書館の利用はどうか
  D 図書館奉仕をどう考えるか
 X 図書館政策を決定するもの
5 図書館体系と対外活動
 T わが国の図書館奉仕
 U 図書館奉仕の単位としての市町村
  A 町村図書館のばあい
  B 市における図書館館奉仕
 V 府県図書館の職能
 W 府県図書館と対外活動
  A 対外活動機関とその組織
  B 指導・助言
  C 図書館基準の設定と援助
  D 移動図書館・貸出文庫
  E 大学図書館の協力
 X 分館論
  A 種類と定義
  B 分館の数と位置
  C 分館の管理と利用
  D 分館活動を語る
6 対外活動の素描
 T 対外活動の企画
 U 対外活動の方法と資料
  A 展示会・展覧会
  B 講演会・講座
 V 移動図書館を中心に
  A 貸出文庫
  B 自動車文庫(Bookmobile)
7 対外活動としての弘報
 T 弘報活動の目的と方法
 U ポスター、その他の印刷物
  A ポスター(Poster)
  B 告知板・掲示板
  C しおり
  D フォルダー(Folder)
  E 読者案内(Readers’ handbook)
  F 書目(Book list)
 V 図書館報をめぐって
  A 目的と種類
  B 大衆的図書館報
  C 発行度数
  D 図書館年報(Annual report)
  E パンフレット、その他
 W 新聞と図書館弘報
  A 図書館と報道価値
  B 記事資料の提供
  C ラジオ放送
参考文献
索 引

本書より抜粋

図書館はただ「存在」するというだけでは無意味である。それがすべての人びとに開放されているというだけでも満足できない。たしかに図書館は、利用したいと思う人びとによって利用されているであろう。また図書館を利用しない人たちは、利用する必要を感じないからであり、利用しようという欲望をもたないからであると言われるかも知れない。われわれはこの説明によって自己満足を感じ、涼しい顔をして済ましてよいものであろうか。(図書館の対外活動とは何か)

多くの人びとは、誰でも図書館が存在していることは知っているし、また図書館がどんな奉仕をすることができるかを、百も承知していると考える傾向がある。ところが案外これは事実と反対である。いく年もいく年も図書館を利用しておりながら、人びとは図書館の組織や設備が、彼らの想像している以上に複雑で広汎なのに驚くものがいる。またそれらの人びとが利用しているのは、図書館資料のほんの一部であって、そのほかにどんな資料があるかをほとんど知らないのである。
だから図書館に関してじゅうぶんな、そして正確な、また広い知識を与えることをしないでいて、図書館を利用しない人びとを目して、かれらが図書館に冷淡であると断定することは危険である。
(同上)
 「日本近代図書館学叢書」のパンフレットはこちら→PDF(969KB)

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