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騒音・低周波音・振動の紛争解決ガイドブック

騒音・低周波音・振動の紛争解決ガイドブック 書影
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村頭秀人 著
A5判・並製カバー装・596ページ 2011年5月刊
定価:本体4700円+税 ISBN978-4-86330-050-7

「騒音」「低周波音」「振動」とは何か?
それらに関する紛争をどうすれば解決できるか?
―を知るために必須のガイドブック

公害紛争の中で最も多い騒音に加え、低周波音・振動についても、多数の紛争の解決に当たってきた弁護士が最新の知識に基づき詳細に解説。「音とは何か」という基本的解説から始まり、関係法令・条例・文献・裁判例などを精査し、様々な角度から紛争解決のための方途を指し示した、弁護士、公害苦情処理担当者、建築施工業者、被害者等に必携の一冊!

★公害紛争にかかわる全ての方に必携!
★他に類書のない待望の画期的ガイドブック!

著者略歴

村頭秀人(Murakami Hideto)
平成元年3月 東京大学法学部卒業
平成元年4月〜平成6年1月 住友重機械工業株式会社勤務
平成11年4月 司法修習生(第53期)
平成12年10月 弁護士登録(東京弁護士会)
平成17年4月〜平成21年3月 東京弁護士会公害・環境特別委員会副委員長
平成21年4月〜現在 同委員会委員長
平成22年4月〜平成23年3月 東京三弁護士会環境保全協議会議長

所属事務所 東京都港区赤坂1-9-15 日本自転車会館2号館5階
畑・植松法律事務所  →著者のサイトへ

目次

第1章 音と騒音の知識
1.1 音の実体と性質
1.1.1 音とは何か
音の実体/音が発生するしくみ/媒質/縦波と横波/「音」と「音波」/音の性質の表し方と音の3要素
1.1.2 圧力変化の回数(周波数)
周波数(Hz)の意義/純音と複合音/音色/いろいろな音の周波数
1.1.3 圧力変化の大きさ(音圧)
音圧レベルとその定義式/音圧レベルの定義式が導かれるまで/ウェーバー・フェヒナーの法則/音圧レベル(dB)に関して重要な点/音の強さ(エネルギー)/dBの足し算と引き算
1.1.4 周波数と音圧による音の分析
周波数分析/オクターブバンド・1/3オクターブバンド/ FFT分析
1.1.5 圧力変化の伝わる速さ(音速)
1.2 騒音に関する用語と知識
1.2.1 騒音の定義
1.2.2 騒音の大きさに関する用語・知識
フォン,A特性音圧レベル,騒音レベル,ホン/B特性,C特性,平坦特性/時間率騒音レベルと等価騒音レベル/時間重み付け特性(動特性)/騒音の大きさに関するその他の知識
1.2.3 騒音の測定方法に関する知識
騒音の測定機器(レベルレコーダとデータレコーダ)/JIS Z 8731
1.2.4 騒音の基準
日本建築学会の基準/NC曲線・NC値/NR曲線
1.3 騒音の人に対する影響
1.3.1 騒音の人に対する影響の具体的内容
直接的影響/間接的影響
1.3.2 人に対する影響が生じないために望ましいとされる騒音のレベル
夜間(睡眠に対する影響)/昼間(会話への影響)
第2章 騒音に関する法令・条例
2.1 騒音に関する法令の概観
2.2 環境基本法に基づく環境基準
2.2.1 環境基準の性格
2.2.2 騒音に係る環境基準
環境基準の数値/環境基準の数値の根拠/測定と評価の方法・地域の類型の当てはめ/達成期間/適用除外
2.2.3 航空機騒音に係る環境基準
WECPNL/基準値/測定方法及び評価方法/適用除外/達成期間/WECPNLからLdenへ
2.2.4 新幹線鉄道騒音に係る環境基準
2.3 法令による騒音の規制
2.3.1 騒音規制法
概要/工場や事業場の騒音/建設工事の騒音/自動車騒音/条例による規制との関係
2.3.2 騒音規制法以外の法律
大規模小売店舗立地法/軽犯罪法/風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律/国会議事堂等周辺地域及び外国公館等周辺地域の静穏の保持に関する法律
2.4 条例による騒音の規制
2.4.1 条例による規制の主な内容
2.4.2 東京都における条例による規制
工場・事業場に対する規制/建設工事に対する規制/拡声器に対する規制/音響機器等の使用制限/深夜営業等の制限/一般的な騒音規制
第3章 騒音に関する裁判例
3.1 裁判例の収集・選択方法及び一覧表,分類
3.1.1 裁判例の収集・選択方法及び一覧表
3.1.2 近隣騒音事件についての裁判例の分類
3.2 分析(1)…基本型
3.2.1 損害賠償請求や差止請求の法的構成(被侵害利益)
物権/人格権/環境権/平和的生存権/不法行為の効果としての差止請求権
3.2.2 受忍限度論
3.2.2.1 受忍限度論の一般論
3.2.2.2 受忍限度の判断にあたって考慮される具体的な事情
3.2.2.3 受忍限度の判断にあたり,規制基準あるいは環境基準の持つ意味
規制基準・環境基準を超えているか否かと,受忍限度を超えているか否かについての裁判所の判断の関係/規制基準と環境基準とで重要度に相違があるか/問題となっている騒音が適用されない規制基準を考慮することはできるか/測定場所/「窓を閉めれば騒音は軽減される」との主張
3.2.2.4 あらかじめ数字で受忍限度を定める考え方について
3.2.2.5 受忍限度の判断基準は通常人か
3.2.2.6 受忍限度の立証責任
3.2.2.7 「騒音の発生源側の違法性が強い場合には受忍限度論は適用されない」という解釈の当否
3.2.3 騒音が測定されていない場合
3.2.4 危険への接近論,地域性の法理,先(後)住性
危険への接近論/地域性の法理/先(後)住性の理論
3.2.5 損害賠償についての問題点
営業損失の損害賠償/間接被害者の精神的損害/将来分の損害賠償請求/認められた慰謝料の金額/工事の施主の責任/損害賠償請求権の消滅時効/原告の死亡による承継の可否
3.2.6 差止請求についての問題点
法的根拠(被侵害利益)/求めうる差止めの内容…抽象的不作為請求の適法性/差止請求が認められるための要件…違法性段階説/原告の死亡による承継の可否
3.2.7  大規模騒音事件に特有の問題点
公の営造物の設置または管理の瑕疵/共通被害
3.3 分析(2)…基本型以外の紛争類型
3.3.1 賃貸人責任追及型
3.3.2 賃貸借契約終了型
3.3.3 欠陥住宅紛争型
3.3.4 対行政型
第4章 低周波音
4.1 低周波音問題の概観
4.1.1 低周波音の意義・性質
4.1.2 低周波音の発生源
4.1.3 低周波音による苦情(影響)の内容
身体的苦情/物的苦情
4.1.4 日本における低周波音被害の状況
苦情の件数や内容の変遷/西名阪低周波公害裁判/近年の状況
4.1.5 低周波音の基準
4.2 低周波音の身体的影響
4.2.1 主流派の見解(環境省の手引書)
低周波音が人に感知されていなければ身体的影響は生じない/低周波音の感覚閾値の国際規格/参照値/体感調査/低周波音被害の訴えと耳鳴りの関係
4.2.2 主流派の見解への汐見文隆氏による批判
汐見文隆氏/汐見説は感覚閾値や参照値を全面的に否定する/汐見説は「低周波音による身体的影響は本人が低周波音を感知している場合に限って生ずる」という主流派の見解についてどう考えているか/汐見説は感覚閾値や参照値が人の感覚を正確に示していると考えているか/左脳受容説/汐見説は個人差の問題についてどう考えているか
  4.2.3 汐見説による批判を踏まえて,主流派の見解の検討
「低周波音の身体的影響は本人が低周波音を感知している場合に限って生ずる」という見解は正当か/汐見説はストレス説についてどう考えているか/「感覚閾値や参照値は,人の感覚を正確に示しておらず,誤っている」と考えるべきか/「低周波音に対する鋭敏度には個人差があるのだから,本人の感覚を基準にすべきであり,感覚閾値や参照値を基準にすべきではない」と考えるべきか
4.2.4 主流派の見解への対案
低周波音の測定値と感覚閾値や参照値との比較ではなく,体感調査によって決めるべきである/汐見説への根本的な疑問/耳鳴り説についての汐見氏の見解/体感調査についての汐見氏の見解/汐見氏のその他の主張について
4.2.5 まとめ
4.3 低周波音の物的影響
4.4 低周波音に関する裁判例
4.4.1 裁判例の収集・選択方法
4.4.2 裁判例の検討
第5章 振 動
5.1  振動の知識
5.1.1 振動とは何か
振動の意義/「不快な振動」という定義はない(振動と騒音の重要な相違点[1])
5.1.2 振動の性質の表し方
加速度(振動加速度)/周波数/振動加速度レベル/振動レベル(振動加速度レベル)/鉛直振動と水平振動(振動と騒音の重要な相違点[2])/JISにおける振動レベルと計量法・振動規制法における振動レベル
5.1.3 振動に関するその他の知識
振動は家屋内で増幅する(振動と騒音の重要な相違点[3])/加速度に関する他の単位/振動の測定方法
5.1.4 振動の影響
人の振動に対する感覚(振動と騒音の重要な相違点[4])/心理的影響/生理的影響/物的影響
5.2 法令及び条例による振動の規制
5.2.1 振動規制法
歴史/規制対象/規制対象地域/規制の方法/条例による規制との関係
5.2.2 東京都の条例
工場・事業場に対する規制/建設工事に対する規制/一般的な振動の規制
5.3 振動に関する裁判例
5.3.1 裁判例の収集・選択方法及び一覧表,分類
裁判例の収集・選択方法/一覧表/近隣振動事件についての裁判例の分類
5.3.2 分析(1)…基本型
受忍限度についての判断/工事の施主(注文者)の責任/認められた慰謝料の金額/不法行為に基づく差止請求権の可否
5.3.3 分析(2)…家屋損傷型
工事の振動による家屋損傷と,土地の掘削や地下水の汲み上げによる家屋損傷の区別/受忍限度は問題にされるのか/家屋の損傷の補修費用の賠償の他に,慰謝料請求も認められるのか
5.3.4 分析(3)…その他の型
賃貸借契約終了型/賃貸人責任追及型/欠陥住宅紛争型/対行政型
第6章 公害紛争処理法に基づく紛争解決方法
6.1 公害等調整委員会と都道府県公害審査会等の手続の概略
6.1.1 公害等調整委員会と都道府県公害審査会
公害等調整委員会/都道府県公害審査会
6.1.2 手続の種類と管轄
手続の種類/あっせん,調停,仲裁の管轄/裁定の管轄/公調委の裁定事件における職権による付調停
6.1.3 調停と裁定の効力
調停/裁定
6.1.4 申請と時効の関係
責任裁定/原因裁定/調停
6.1.5 裁定に特有の問題
責任裁定と原因裁定の相違点/責任裁定手続における職権による原因裁定/裁判所からの嘱託による原因裁定/訴訟手続との関係/行政事件訴訟の制限
6.1.6 調停に特有の問題
6.1.7 その他
公開・公表/費用負担/義務履行の勧告等
6.2 騒音・低周波音事件における公調委の裁定手続の流れ

6.2.1 全体の流れ
6.2.2 裁定申請書の提出及び受理
6.2.3 受理後の手続
公調委側の関係者/審問期日/準備書面
6.2.4 測定の準備及び測定
測定の準備/測定
6.2.5 測定結果報告書の説明会
6.2.6 話し合い,調停成立または裁定
6.3 公害審査会の調停手続
6.4 地方公共団体の公害苦情処理担当者による苦情処理
地方公共団体による公害苦情処理の位置づけ/根拠条文/苦情処理事務の例
6.5 相隣関係的紛争であることを理由に,公害紛争処理法による紛争処理手続が拒絶されることがあるか
問題点/公調委の見解/実際の経験
6.6 司法手続と公害紛争処理法による手続の選択
6.7 騒音・低周波音・振動に関する公害等調整委員会の裁定例
6.7.1 一覧表
6.7.2 検 討
受忍限度論は適用されるか/受忍限度の判断にあたり考慮すべき事項/公法上の基準は受忍限度の判断の考慮要素となるか/当該事案に直接は適用されない規制基準や環境基準等を受忍限度の判断にあたり考慮できるか/騒音の評価の基準としての「音が気になる―気にならない(50%値)」/測定場所の問題及び屋内における騒音の評価基準の問題/窓を閉めることによって騒音が低減することの考慮/危険への接近論/低周波音の問題/振動の感覚閾値
付 録
A-1 近隣騒音事件の裁判例一覧表
A-2 大規模騒音事件の裁判例一覧表
A-3 近隣騒音事件の騒音の種類(発生源)による分類表
A-4 近隣騒音事件の紛争類型による分類表
B 低周波音事件の裁判例一覧表
C-1 近隣振動事件の裁判例一覧表
C-2 大規模振動事件の裁判例一覧表
C-3 近隣振動事件の振動の種類(発生源)による分類表
C-4 近隣振動事件の紛争類型による分類表
D-1 騒音・低周波音・振動にかかわる公害等調整委員会の裁定事件(裁定が出されたもの)一覧表
D-2 裁定の理由の要約
語句索引
判例索引

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